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夏のプールは楽しい反面、毎年子どもの命に関わる事故が起きています。
「静かな溺水」のサインと、万が一のときの動き方を、いっしょに確認しておきましょう。
水の事故は毎年夏に集中します。厚生労働省の統計では、14歳以下の子どもの不慮の事故のなかで、溺水は長年上位を占めています。
・子どもの溺水事故は7月・8月に集中します。
・発生場所は公共プールよりも、家庭のビニールプール・浴槽・河川での事故が多いのが特徴です。
・子どもは水深10cm程度でも溺れることがあります。「浅いから大丈夫」は通用しません。
事故の多くは「ほんの少し目を離したすき」に起きています。大人がスマホを見ていた/飲み物を取りに行っていた——そんな数十秒のあいだに、子どもは音もなく水中へ沈んでしまうのです。
ドラマや映画では「助けて!」と叫びながら溺れる姿が描かれますが、実際は正反対。子どもは声を出せず、バタバタもせずに静かに沈んでいきます。専門家はこれを「静かな溺水(silent drowning)」と呼びます。
呼吸するだけで精一杯で、叫ぶ余裕がありません。「静かになった」は危険信号です。
遠くを見ているような目つき、髪が顔にかかっても払わない場合は意識がうすれかけている可能性。
口が水面ぎりぎりで息つぎをくり返す状態。「遊んでいる」ように見えても要注意。
水面に顔を出そうと手足を垂直にバタつかせる姿勢。進む動きにはなりません。
子どもの溺水は20〜60秒で意識を失うこともあります。声がしないからといって「静かに遊んでいる」と判断せず、常に顔と目を視界に入れておくのが原則です。
合言葉は「引き上げる/119番/呼吸を見る/無ければCPR」。順番に進めれば大丈夫です。
気づいた瞬間に水から引き上げます。顔を上に、体を水平にして陸に運びます。
迷わず119番。意識があってもなくても、溺れたときは救急車を呼びます。近くに大人がいれば「あなたは119番、あなたはAED」と具体的に役割を頼みます。
肩を軽くたたきながら「大丈夫?」と呼びかけます。反応がなければ、胸とお腹の動きを10秒以内で観察。
呼吸がなければすぐに胸骨圧迫。胸の真ん中を1分間に100〜120回のテンポで強く速く押します。子どもは胸の厚みの約3分の1沈むくらい。
AEDが届いたら電源を入れ、音声ガイドに従います。体が濡れているときは胸を軽くタオルで拭いてからパッドを貼るのがコツです。救急隊到着まで胸骨圧迫とAEDを続けます。
事故を起こさないことが最大の応急処置です。プールで子どもを守るための3つの原則を頭に入れておきましょう。
未就学児は1メートル以内。すぐ手を伸ばせる位置で見守る。
スマホ・読書・おしゃべりはNG。常に顔を視界に。
複数の大人がいるときほど「誰か見ているだろう」と注意散漫に。担当を決めて交代制に。
①体調は良好か(発熱・寝不足はNG)/②食後すぐの遊泳を避けたか/③準備運動をしたか/④子どもに「泳げる」と過信させていないか/⑤監視員の位置とAED設置場所を確認したか。
119番通報と同時にCPRを開始。救急隊が到着するまでの時間が命を左右します。
プールと言っても、場所によってリスクは異なります。家族でどこへ行くかに合わせて準備しましょう。